洋服は自分を表現できるもっとも身近にあるツールです。そんな、ファッション好きな方は多いかと思いますが「オリジナルデザインのプリント衣類を作ってみたいど、専用プリンターの導入は家庭用より大型になりそうだから悩んでいる」人はいませんか?
実はそんな方におすすめな、コンパクトなサイズの衣類専用のプリンターがあります。
今回の記事では、衣類に直接印刷できるプリンターの特徴から、おすすめ機種まで詳しくご紹介します。
衣類に直接印刷できるプリンターとは?
衣類に直接印刷できるプリンターでは、以下のような衣類に直接印刷できるます。
- 半袖Tシャツ
- 長袖Tシャツ
- ポロシャツ
- Yシャツ(背面)
- パーカー
- スウェット
- トートバッグ(コットン素材)
今回ご紹介する衣類用のプリンターには4種類の印刷方法があります。それぞれの概要と印刷の流れは次の通りです。
昇華転写プリンター
昇華転写プリンターとは、デザインや文字を「衣類などの他の素材に転写できる転写紙」を活用して印刷します。液体と固体の状態を経由せずに、気体に変わる昇華染料インクで印刷をする仕組みのプリンターです。
昇華転写プリンターの概要と印刷の流れをご紹介します。
昇華転写プリンターの概要
昇華転写プリンターの特徴とメリット、デメリットは以下の通りです。
項目 | 概要 |
特徴 | ・昇華染料インクの気体が素材に染み込むことで色が定着する ・工程が少なく環境負荷が少ない |
メリット | ・全面プリントや長尺プリントにも対応 ・蛍光色にも対応 ・発色が鮮やか ・自然な風合いが出る ・染めた後に洗濯をしても色落ちしにくい ・1枚から作れる ・導入コストが安い ・作業が簡単 ・Tシャツ以外のグッズやノベルティも作れる |
デメリット | ・転写できるのはポリエステル素材のみ ・プレス跡やテカリが目立つ場合もある |
プリント時にも、終始プリント状況をチェックする必要がないため、効率的に作業が進められます。
昇華転写プリンターを用いた加工の流れ
昇華転写プリンターを用いた加工の流れは次の通りです。
- PCから昇華転写プリンターにデータを送信する
- 転写紙に昇華転写プリンターで反転印刷をする
- プレスをして衣類に熱転写する
加工の手順が簡単で、初心者でも取り組みやすいのが特徴的です。
溶剤プリンター
溶剤プリンターでは、衣類や布地に「デザインを簡単に転写できる無地のアイロンプリントシート(専用の転写紙)」を活用します。乾くのが早い、溶剤インクで印刷をする仕組みのプリンターです。
溶剤プリンターの概要
溶剤プリンターの特徴とメリット、デメリットは以下の通りです。
項目 | 概要 |
特徴 | ・溶剤インクは有機溶剤と顔料インクを混ぜて作られているため、溶剤がシート表面を溶かし顔料インクを内部に浸透させる ・インクの色落ちや色あせが少ない |
メリット | ・濃い色がはっきりと表現できる ・様々な生地に対応できる ・濃い色の生地にもフルカラーで転写ができる ・Tシャツ以外にも屋外看板、屋外掲載ポスター、ステッカーなどの作成ができる |
デメリット | ・鮮やかな色の表現が難しい ・データの内容によってはカス取り(プリントしたデザインの周囲に残った余分なインクやカスを取り除く作業)が多くなる ・導入するためのコストが高い ・A4やA3対応の小型機がない |
溶剤インクの耐久性が高いのが特徴です。衣類への印刷以外にも、屋外看板・ポスター・各種印刷物の作成に使用されます。
溶剤プリンターを用いた加工の流れ
溶剤プリンターを用いた加工の流れは以下の通りです。
- PCから溶剤プリンターにデータを送信する
- 溶剤プリンターで印刷をする
- カットしてカス取りをし、アプリを貼る
- ヒートプレスをする
加工に必要なのは溶剤プリンター、カッティングマシン、アイロンプレス機です。
DTFプリンター
DTF(Direct To Filmの頭文字を取った言葉)プリンターとは、専用のDTFフィルムにデザインを印刷して転写シートを作るプリンターです。
DTFプリンターの概要と印刷の流れをご紹介します。
DTFプリンターの概要
DTFプリンターの特徴とメリット、デメリットは次の通りです。
項目 | 概要 |
特徴 | ・2021年に登場した新しい技術のため進化が早い ・人気の高いプリント方法 |
メリット | ・カス取りが不要 ・細かい文字もはっきり表現できる ・濃い色の生地にフルカラーで転写できる ・最新の手法のため新しい材料が日々開発されている ・種類が多く小ロットの作成にも対応 |
デメリット | ・新しい技術のため機械トラブルが多い ・プリント面が固く何かを貼っているように見える ・プリントをする時に細かい粉が舞う ・プリントできる生地の種類が少ない |
昇華転写プリンターと同じく、プリント時に印刷作業を見守る必要がないので、効率的に作業が進められます。
DTFプリンターを用いた加工の流れ
DTFプリンターを用いた加工の流れは次の通りです。
- PCからDTFプリンターにデータを送信する
- カラーデータの上に白黒データを配置し反転印刷する
- 加熱すると溶けて接着剤の役割をする「ホットメルトパウダー」を塗る
- バインダー定着機、またはオーブンでベイキング
※印刷後に熱を加えてインクを定着させるために行う - ヒートプレスをする
加工に必要なのはDTFプリンター、バインダー定着機またはオーブン、アイロンプレス機です。
ガーメントプリンター
ガーメントプリンターとは、衣類に直接的に水性インクを噴射して印刷するプリンターです。
ガーメントプリンターの概要
ガーメントプリンターの特徴とメリット、デメリットは以下の通りです。
項目 | 概要 |
特徴 | ・綿素材への印刷に適している ・家庭用のインクジェットプリンターに近い使用感 |
メリット | ・自然な仕上がりで風合いも良い ・カストリが不要 ・濃い色の生地にフルカラーで転写できる ・DTFフィルムにも印刷可能 ・小ロットの作成に対応できる |
デメリット | ・イニシャルコストとランニングコストが他のプリンターと比較するとやや高い ・メンテナンスに手間がかかる ・生地に前処理剤を均一に塗れていない場合は仕上がりに影響が出る ・色落ちしやすい前処理剤を塗った跡、臭いが残ることがある |
前処理を行えばポリエステル素材への印刷も可能です。
ガーメントプリンターを用いた加工の流れ
ガーメントプリンターを用いた加工の流れは以下の通りです。
- 前処理剤を塗って乾燥させる
- PCからガーメントプリンターにデータを送信して印刷する
- ヒートプレスをする
加工に必要なのはガーメントプリンター、アイロンプレス機です。
衣類プリンターの導入にかかる費用
衣類プリンターを導入する際の費用は、AmazonとYahoo!オークションの本体価格を参考に、新品と中古品の価格をご紹介します。
昇華転写プリンター
2024年11月現在、Amazonで「昇華転写プリンター」と入力して検索すると342件の商品が表示されます。検索結果には昇華転写プリンター用の熱転写プレスマシンも表示されるため、価格相場を調べる時は注意しましょう。
Amazonにおける昇華転写プリンターの新品の価格相場は90,000円~180,000円です。
価格の幅が広いため、自分のやりたいことに合った機能がついているかを確認して機種を選ぶようにしましょう。
一方2024年11月現在、Yahoo!オークションで「昇華転写プリンター」と入力して検索すると検索結果は6件出てきますが、いずれも関連商品でした。
このことから昇華転写プリンターは新品では手に入れやすいものの、中古では見つけるのが難しいと言えるでしょう。
参考:Amazon「『昇華転写プリンター』検索結果」
参考:Yahoo!オークション「『昇華転写プリンター』検索結果」
なおビリーブでは、Rakuten市場とAmazonで、Tシャツプリンターをご提供しております。気になる方は、ぜひ以下のページからご確認ください。
楽天市場:https://www.rakuten.co.jp/believe-toner/
Amazon:https://www.amazon.co.jp/s?me=AOE4ZLPY4XXOE&marketplaceID=A1VC38T7YXB528
溶剤プリンター
2024年11月現在、Amazonで「溶剤プリンター」を検索すると264件の商品が出てきます。またYahoo!オークションで「溶剤プリンター」と検索すると79件の商品が出品されていました。
しかしいずれも周辺機器で、溶剤プリンターは大手通販サイトで手軽に購入できる商品ではないと言えます。取り扱い業者のホームページでは溶剤プリンターは安いもので80万円、高いものでは1,000万円を超える商品もありました。
溶剤プリンターを家庭用として使うのは、イニシャルコストの面で難しいかもしれません。
参考:Amazon「『溶剤プリンター』検索結果」
参考:Yahoo!オークション「『溶剤プリンター』検索結果」
DTFプリンター
2024年11月現在、Amazonで「DTFプリンター」と検索すると254件の商品が表示されます。AmazonにおけるDTFプリンターの新品の価格相場は35万円〜65万円です。
一方Yahoo!オークションで「DTFプリンター」と検索すると7件の商品が出てきました。Yahoo!オークションでの中古の価格相場は60万円〜180万円です。
中古は価格の自由設定が可能なため、中古価格相場の方が高い結果です。不良品・サポート体制が不安な方は、メーカーや正規代理店から新品で購入することをおすすめしています。
ガーメントプリンター
2024年11月現在、Amazonにおいて「ガーメントプリンター」で検索をかけると91件の商品が表示されますが、そのほとんどが周辺機器でした。
一方Yahoo!オークションで「ガーメントプリンター」で検索すると21件表示され、中古の価格相場は4万円~160万円だったのです。
Yahoo!オークションでは業務用と家庭用が混同で販売されているため価格の幅が広くなっていると考えられます。しかし基本的には、ガーメントプリンターは他のプリンターより費用が高いと考えた方がよいでしょう。
衣類プリンターでおすすめなのは?
小ロットから衣類プリントをしたい場合におすすめの機器は、brotherのHL-L9310CDWとMFC-L9570CDWです。
どちらもカラーレーザープリンターで、衣類プリンター専用機としてだけではなく一般的な印刷にも用いることができます。また、HL-L9310CDWは複合機なので、FAX、コピー、スキャン機能もついているのが特徴的です。
株式会社ビリーブでは、これらのプリンターに純正トナー各色、ヒートプレスアイロン、特殊転写紙をセットにした「Tシャツプリントセット」を取り扱っています。
「Tシャツプリントセット」は衣類にプリントをしたい場合にかかる初期費用をおさえるだけではなく、プリンター以外の機器や消耗品について調べそろえる手間も省けるのです。
brotherのHL-L9310CDWとMFC-L9570CDWで手軽に昇華転写プリントを始めたい方は、次のページからお問い合わせください。
なおビリーブでは、Rakuten市場とAmazonで、Tシャツプリンターをご提供しております。気になる方は、ぜひ以下のページからご確認ください。
楽天市場:https://www.rakuten.co.jp/believe-toner/
Amazon:https://www.amazon.co.jp/s?me=AOE4ZLPY4XXOE&marketplaceID=A1VC38T7YXB528
まとめ
衣類に印刷ができるプリンターには昇華転写プリンター、溶剤プリンター、DTFプリンター、ガーメントプリンターの4種類があります。
自分のイメージがどの印刷方法なら再現できるかと、かかる費用を比較検討してどのプリンターを使うかを決めるのが望ましいでしょう。
この記事も参考にして、ぜひ衣類に素敵なプリントを施してみてください。